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[コメント] 2018-03-29 11:33

No.141 ふるさとの物語 第44回「田代平湖成層」~かつての湖底に堆積~

ふるさとの物語 第44回「田代平湖成層」~かつての湖底に堆積~

青森市の駒込川上流、田代元湯という温泉があった場所の近くで写真のような地層が見られる。地層の中央部に,薄い泥の層が何層も積み重なっているようすが見えるが、この層と層の間から植物の葉の化石が見つかることもある。このような特徴をもつ地層は「湖成層」と呼ばれ、波の穏やかな湖の底に泥が積もってできる。駒込川上流部には田代平という平坦地が広がっているが、かつてここは湖だったのである。
 湖が存在したのは40万~10万年前のこと。十和田湖と同じカルデラ湖に分類されるが、十和田湖よりやや小さかったようだ。カルデラ湖は、火山の巨大噴火によって陥没した地形「カルデラ」に水がたまってできる。このカルデラは八甲田カルデラと呼ばれ、八甲田火山群の火山活動によって形成された。
やがて、この湖から水が流れ出て駒込川ができ、カルデラの西側では北八甲田火山群が活動を始める。カルデラ壁からの土砂や火山活動による噴出物の流入、駒込川から湖水の流出によって湖はしだいに干上がっていった。現在、湖の名残といえるのは田代湿原である。

※この記事は2018年2月1日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 島口 天

[コメント] 2018-03-29 11:32

No.140 ふるさとの物語 第43回「百万遍回し」~悪魔を払い、安泰願う~

ふるさとの物語 第43回「百万遍回し」~悪魔を払い、安泰願う~

むつ市大畑町を流れる大畑川の河口から4キロほど上流に小目名集落がある。集落の北のはずれが墓地で、そこの奥に無住の小さいテラがあり地蔵様がまつられている。農閑期の12月から4月までの毎月6日(正月は除く)に、このテラに小目名の姑世代が集まり、百万遍回しといって大数珠を回す行事が行われる。昔、小目名で悪いことが起きてその日が6日だった。それで6日に悪魔払いの数珠を回すことになったという。3年前の12月6日、この行事を見学させてもらった。午前10時ごろ、鉦を叩く人を先頭にしてテラから10数人が出発する。大数珠を一本の綱のようにして皆で持ち、行列になってムラを回る。東西南北のムラ境と小目名橋のたもとでは数珠を輪にして回し、最後に一斉に唱え言をして、悪魔を数珠でムラの外に押し出すような所作をする。テラに戻ると、地蔵様の前で念仏を唱えながら再び数珠を回す。人目を引くので気恥ずかしそうな様子もちょっと見られたが、ムラや皆の安泰を願うひたむきな姿が印象深かった。

写真:小目名集落で農閑期に行われる行事「百万遍回し」で、悪魔払いの数珠を回す住民たち
※この記事は2018年1月25日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 古川 実

[コメント] 2018-03-29 11:32

No.139 ふるさとの物語 第42回 「ユキクロカワゲラ類」~雪上を動き回る虫~

ふるさとの物語 第42回 「ユキクロカワゲラ類」~雪上を動き回る虫~

冬季間になると,殆どの昆虫は長い冬が過ぎるのをじっと待っている.中には雪上を動き回る虫達もいて,雪虫と呼ばれている.
カワゲラ類,トビムシ類,ユスリカ類,ガガンボ類などの昆虫の一部である.
 近年,雪上で見られるクロカワゲラ科のセッケイカワゲラ類の名前は,高山の雪渓以外の低地の雪上でも広く見られることから,名前と生息環境が一致せず,近年はユキクロカワゲラ類と呼ばれている
 ユキクロカワゲラ類などの雪上カワゲラ類の成虫は,名前のように主に冬期間に成虫が河川沿いの雪上で見いだされる.分布は広く高山から里山まで広範囲に分布している.体長は約10mmしかない小さなカワゲラで体色は黒色である.翅は退化してなく痕跡が残っている.またこの仲間の成虫は長い尾毛を持っている.
 ユキクロカワゲラ類は幼虫期は河川に生息している.上流域で産卵して下流域で幼虫は,川底の落ち葉など食べて成長する.初冬に雪上で成虫となり,河川沿いに再び上流部に向かって今度は雪上を歩いて移動すると言われている.
 冬季間に積雪の上を歩行する雪上カワゲラ類であるユキクロカワゲラの仲間は,クロカワゲラ科等に属し複数種知られているが,分類の研究はまだ十分ではなく大変分類が難しく,種名を特定することが困難なグループである.分類,生態,分布等も含めまだ十分に調べられていない.

写真:ユキクロカワゲラ類の虫(岩木山麓の雪上で撮影)
※この記事は2018年1月18日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 山内 智

[コメント] 2018-03-29 11:31

No.138 ふるさとの物語 第41回 版画「長寿林檎」~老いて息づく命の強さ~

ふるさとの物語 第41回 版画「長寿林檎」~老いて息づく命の強さ~

近くを岩木川が流れるつがる市柏桑野木田に、県の天然記念物に指定されている林檎の木がある。樹齢100年を優に超える、日本唯一の林檎の古木だ。青森市出身の版画家・加藤武夫(1930~2012年)は、一連の「長寿林檎樹」シリーズでその威容を描いた。
本作品で老樹は、まだ底冷えのする薄闇の中で身を休めるように佇んでいる。細切れの線で表された霧は水平に漂い、場の静けさが際立つ。背後では青の空気がうねり始め、夜明けは間近に迫っているようだ。それと呼応するように、木肌には渦巻き状の模様が現れる。幾度となく迎えた朝が老樹に訪れ、季節は春へと進んでいく。
1月13日(土)から2月12日(月・祝)まで常磐ふるさと資料館あすかで開催される連携展「加藤武夫版画展」では、他の「長寿林檎樹」も展示される。変わらず在り続ける老樹は、北国に息づく生命の強さを感じさせてくれるだろう。ぜひ足をお運びいただきたい。

写真:加藤武夫作の木版画「長寿林檎(青霧待春)」
※この記事は2018年1月11日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 和山大輔

[コメント] 2018-03-29 11:30

No.137 ふるさとの物語 第40回「美人川」(青森市浪岡)~福姫と藤太の伝説~

ふるさとの物語 第40回「美人川」(青森市浪岡)~福姫と藤太の伝説~

顔を洗うと美人に…。青森市浪岡にそんな伝説が残る「美人川」という川がある。平安時代の終わりごろ、京都のある公家に福姫という娘がいた。姫は器量が悪く、見合いすら求める者がなかった。父母は大変心配し易者に占ってもらうと、姫の夫となるべき人は遠く津軽の外ヶ浜にいるとのお告げがあった。姫はそれを信じ、一人津軽へ旅立つ。
そして足を踏み入れたところが行丘(なみおか)だった。姫は身なりを整えるため傍らの川で顔を洗い、拾った杉の葉をようじにしておはぐろをつけた。すると姫の顔はそれまでとはうって変わって世にも麗しい艶やかになっていた。その後、姫は藤太という炭焼きと出会い、めでたく結ばれたという。姫が顔を洗った川が今の美人川である。
あくまでも伝説であり、二人のその後については諸説あるようだが、美人川は今でもわずかながら水があり、周辺は公園として美しく整備されている。ただ、顔を洗うにはやや勇気が必要かもしれない。

写真:青森市浪岡にある美人川と福姫橋
※この記事は2018年1月 4日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 福士道太


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