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[コメント] 2019-03-15 10:19

No.192 ふるさとの物語 第95回「善知鳥崎貫くトンネル」~かつての鉄道、いまは国道~

ふるさとの物語 第95回「善知鳥崎貫くトンネル」~かつての鉄道、いまは国道~

写真は、1891(明治24)年の東京-青森間鉄道開業を記念して描かれた『日本鉄道陸奥地方画譜』のうち、「青森県東津軽郡善知鳥前隧道」の図である。題名のとおり、陸奥湾に突き出た善知鳥崎(うとうまい)を貫くトンネルを、東側から眺めた様子を描いている。場所は、現在の青森市大字浅虫にあたる。
 1191(建久2)年、奥州藤原氏に従っていた大河兼任が、糠部と外浜の境の「多宇末井(とうまい)の梯(かけはし)」付近に城を築いて戦い、鎌倉方に大敗を喫したというが、これは善知鳥崎付近の出来事である。この岬は、山が海岸まで迫った地形になっており、江戸時代頃までの旅人は、断崖に架け渡された梯か、険しい尾根筋等を通行することを強いられ、牛馬の通行が難しい難所であった。
 1876(明治9)年の明治天皇行幸の際、山を削って護岸を施した海岸沿いの道が整備された。次いで、前述のとおり、鉄道も開通している。
右手奥に見える山は岩木山である。景色には優れた場所ではあったが、現在、線路は南側の山手をトンネルで抜けるルートになっている。道路も図中の鉄道トンネルの場所に国道4号のうとうトンネルが通っている。

※写真:「日本鉄道陸奥地方画譜」の中の「青森県東津軽郡善知鳥前隧道」の図
※この記事は2019年2月7日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 佐藤良宣

[コメント] 2019-03-15 10:18

No.191 ふるさとの物語 第94回「雲谷峠」~海底火山活動の名残~

ふるさとの物語 第94回「雲谷峠」~海底火山活動の名残~

青森市内から南方の八甲田連峰を眺めると、裾野に広がる緩傾斜の平坦面に三角形の山容をした雲谷峠(標高553m)が目に付く。この北側斜面にはスキー場が整備され、冬場はスキーやスノーボードを楽しむ人々で賑わっている。
 雲谷峠は、マグマが冷えて固まった火山岩のひとつ「デイサイト」でできている。このデイサイトは、北八甲田の石倉岳にも分布するほか八甲田周辺に点在し、1100万~900万年前の海底火山活動でできた。火山岩は風化や侵食に強く、山状に残ったと考えられる。このような海底火山活動では金属鉱床が形成されることがあり、雲谷峠の西側にも金属鉱床を対象とした雲谷鉱山があった。
 雲谷峠の周囲に広がる緩斜面は、八甲田火山群の八甲田カルデラが形成される際に噴出した火砕流が厚く堆積してできた。このうち合子沢川と横内川に挟まれた雲谷平は、藩政時代に牧場として利用され、津軽五牧の1つに数えられた。その後、昭和22年(1947)に開拓団が入植し、酪農や畑作が営まれた。

※写真:青森県防災ヘリコプター「しらかみ」から撮影した雲谷峠
※この記事は2019年1月31日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸副課長 島口 天

[コメント] 2019-03-15 10:17

No.190 ふるさとの物語 第93回「雪女の伝承」~切ない「しがま女房」~

ふるさとの物語 第93回「雪女の伝承」~切ない「しがま女房」~

雪女は吹雪の夜に白い着物姿で現れる。透きとおるような美女で、雪女の言いなりになった男は命を奪われてしまうという。類似する話が津軽地方では「しがま(つらら)女房」などと呼ばれ伝承されていた。本県の昔話を長年にわたり研究されている佐々木達司氏がつがる市稲垣で採集した話の概要は次のとおり。
 ある寒い晩、若者の家に透きとおるように美しい娘が訪ねてきて一晩宿を借りる。娘はそのまま居つき若者の嫁になる。嫁は働き者だがなぜか風呂を嫌がった。娘を嫁にしたことでとても喜んだ若者は、風呂に入れたらどんなにきれいだろうと、嫁を無理に風呂へ入れる。ところが、嫁はいくら待っても風呂から上がってこない。心配になって風呂場を見ると誰もいなくて、湯には櫛が浮かんでいるだけだった。(「西北のむがしコ」より)―
 喜び有頂天になって強引に世話をしてしまう人と、無理と判っていても断りきれない人とのやり取りが落語の人情噺のようで切なくなってしまう。

※写真:西目屋村乳穂ヶ滝の見事な氷柱(石戸谷勉氏撮影)
※この記事は2019年1月24日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:当館副館長 古川実

[コメント] 2019-03-15 10:15

No.189 ふるさとの物語 第92回「ウスタビガの繭」~木々に残る抜け殻~

ふるさとの物語 第92回「ウスタビガの繭」~木々に残る抜け殻~

初冬になると野山の木々の葉が落ちて雪も積もり、動植物も厳しい冬越えに入り、啓蟄(けいちつ)をじっと待つ。この時期でないと見られない虫たちの生態の一端がある。
 ある年の3月、まだ雪のある青森市の月見野森林公園で木々の枝から、鮮やかな黄緑色をした袋状のものが風に揺られていた。ヤママユガの仲間、ウスタビガの繭の抜け殻である。
 ヤママユガの仲間は日本では十三種類知られ、絹糸を取る野蚕(くわご)もこの仲間。その中の一種であるウスタビガは、翅(はね)を開くと全長約100ミリにもなる黄褐色の大型のガだ。県内でも古くから知られ、黒石市山形、つがる市森田、青森市浅虫、弘前市、八戸市南郷、十和田市焼山、南部町鳥谷などで記録されている。
 成虫は年1回の発生で晩秋に見られる。卵の状態で越冬し、食草であるカシワ、コナラ、サクラ、ケヤキなどが葉を広げる4月下旬頃ふ化する。葉を食べて60ミリもある幼虫に成長し、6月下旬頃、繭を作ってサナギに。晩秋から初冬にかけて羽化し、交尾、産卵して一生を終わる。
 繭は糸で作られた柄で木の枝からぶら下がる。上部には羽化時に脱出する切れ目があり、下部には水抜きの小穴。抜け殻のまま残される繭はそのまま木々に残ることが多く、人目につくことになる。
 逆三角形で「むしろ」を二つ折りにした「かます」に似ていることから「ヤマカマス」とも呼ばれる。
 雪の舞う里山には、春を待つ虫の姿を見ることができる。

※写真:青森市で撮影したウスタビガの繭の抜け殻
※この記事は2019年1月17日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 山内 智

[コメント] 2019-03-15 10:14

No.188 ふるさとの物語 第91回 川原平(1)遺跡の男性土偶~性別はっきり 珍しい~

ふるさとの物語 第91回 川原平(1)遺跡の男性土偶~性別はっきり 珍しい~

土偶のほとんどは女性をかたどっているが、ごくまれに男性像がある。土偶自体は全国で1万点以上出土しており、その中に男性の土偶が数点あったところで、土偶本来の機能・用途の解釈に変更を迫るものではない。
西目屋村川原平(1)遺跡では、写真のような男性土偶が出土した。高さは7.7cm。縄文時代後期の終わりごろ(約3千2百年前)に作られたもので、腹部以下が残存している。立像ではなく、国宝の合掌土偶のような坐像である。
注目すべきは脚の付け根で、筒状の突起の下に二袋状の膨らみが付けられている。つまり、男性の外性器が表現されているわけだ。これほどはっきりした男性土偶は珍しく、一見の価値がある。
同時期に作られた注口土器には、注ぎ口に男性器を模した造形が施されることもある。こうした土器の製作者が男性土偶を生み出したのではないか、と筆者は考えている。

※写真:川原平(1)遺跡出土の男性土偶(県埋蔵文化財調査センター蔵)
※この記事は2018年12月27日付の東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 岡本 洋


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