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[コメント] 2017-01-19 08:09

No.67 ふるさとの宝物 第168回 パレオパラドキシア

ふるさとの宝物 第168回 パレオパラドキシア

2006年4月、深浦町で奇妙な形の化石が発見され、当館に持ち込まれた。研究の結果、絶滅した哺乳類パレオパラドキシアの左寛骨化石であることがわかり、県内初のパレオパラドキシア化石発見となった。寛骨は、骨盤を構成する骨の一部で、腸骨・坐骨・恥骨からできており、中央部の丸いくぼみに大腿骨が連結して股関節を形成する。本来、坐骨と恥骨が輪を作るように接続しているが、この化石では坐骨の後半部が欠落していた。
パレオパラドキシアというのは学名で、「古くて矛盾だらけのもの」という意味がある。化石から復元された姿はカバに似ているが、四肢が横向きにつき、まるでワニのようでもある。臼歯にも特徴があり、円柱状の歯が何本も束になってひとつの臼歯を作っていることから、このような臼歯をもつグループを「束柱類」と呼んでいる。このように、現生の生物にはない特徴をもち不思議な姿をしたパレオパラドキシアは、暖かく浅い海にすみ、およそ1300万年前に絶滅したと考えられている。

投稿者:学芸課 島口 天

[コメント] 2017-01-19 08:10

No.69 ふるさとの宝物 第170回 秋-ブナ林の動物たち

ふるさとの宝物 第170回 秋-ブナ林の動物たち

秋、木の葉が色付く紅葉狩りの季節だ。紅葉は、日照時間が短くなり気温が低くなると起こる。葉が春から夏にかけて緑色をしているのは、クロロフィルがあるからだ。紅葉する樹木では、冬を迎える前に光合成を行うクロロフィルなどは分解され、幹・枝に蓄えられる。そして翌年春に再利用される。クロロフィルが分解されると夏には目立たなかった黄色い色素のカロテノイドが目立つようになり葉が黄色く紅葉(黄葉)する。葉が赤く染まる葉の中では、赤い色素のアントシアニンが新たに作られている。
 自然展示室に「秋 ブナ林の動物たち」というジオラマがある。これは自然展示室の中ではひときわ大きく、ツキノワグマの親子やニホンカモシカなど大型哺乳類のの剥製が展示されている。このジオラマの植生は県民の森「梵珠山」をモデルとしている。1年中ハウチワカエデやオオカメノキ、オオバクロモジなどブナ林の紅葉を見ることができる。

投稿者:学芸課 豊田 雅彦

[コメント] 2017-01-25 11:45

No.70 ふるさとの宝物 第171回 棟方志功のテレビ

ふるさとの宝物 第171回 棟方志功のテレビ

青森市が生んだ世界的版画家棟方志功(むなかたしこう、1903~1975年)が、昭和40年代に鎌倉市(神奈川県)のアトリエで使っていたテレビである(ナショナルカラーテレビTK-1100D)。小さなキズやシミとともにつまみ部分の破損があり、実際に使われていた感たっぷりで、独特な存在感と重厚感がある。
志功は、大正13年(1924)に画家になる志を抱いて上京する。その後、帝展入選を果たすが、次第に版画制作に自らの求めていた芸術を見いだしていった。そして、民藝運動の柳宗悦(やなぎむねよし)ら当時の文化人達との出会いによって大きな影響を受け、昭和30年(1955)、サンパウロ・ビエンナーレ展で版画部門最優秀賞を受賞するなど次々と世界的な賞を受賞し、版画家としての評価を高めていった。
志功は、昭和32年(1957)に鎌倉市にアトリエを建てた。そこで制作に没頭するつかの間、心と体を休ませながら家人とこのテレビの画面を見つめていたのだろう。時には映し出される自分の姿に照れながら笑っていたかもしれない。

投稿者:学芸課 太田原 慶子

[コメント] 2017-01-25 11:47

No.72 ふるさとの宝物 第173回 昔の除雪道具

ふるさとの宝物 第173回 昔の除雪道具

今年もまた、厚く冷たい氷雪に閉ざされる冬がまたやってくる。ため息をつかれる方は少なくないだろう。豪雪地帯で暮らしていくため、人や自動車がスムーズに通行できるように、我々は毎日のように、鉄製のシャベルやスノーダンプ、エンジン付きの除雪機、大型除雪車などを駆使して、路面がツルツルになるまで除雪をし、家がつぶれないよう屋根の雪下ろしに励まなくてはならなくなる。これらは重労働で、ときに命に関わる事故まで発生する。昔から人々はこのような過酷な作業をしてきたのだろうか。それを推測する資料のひとつが、この除雪器である。長さ118㎝の木製の柄の先に、幅38センチの鉄製の枠を付け、金網を張っている。昔、鶴田町の豪農が、近所の店から買ってきた除雪器だという。
ほかにも津軽各地では、木製の「雪ベラ」という除雪器や、ワラ製で両足に履いて歩きながら雪道を作る「踏み俵」なども使われたようだ。
自動車がまだ普及していない時代は、大量の除雪をしなくとも、人や馬ソリが通れる小道さえ確保できれば充分だったようで、現代の除雪器に比べるとかなり簡素だ。
残って固まった街道の氷雪は、春先に地域みんなでクワやツルハシを持って割ったという。

投稿者:学芸課 小山 隆秀

[コメント] 2017-02-15 09:41

No.80 ふるさとの宝物 第180回 ニホンジカの化石

ふるさとの宝物 第180回 ニホンジカの化石

 2002年7月、おいらせ町(当時は下田町)のある崖で、理科の校外授業を受けていた中学2年の生徒がこの化石の一部を発見した。
この崖では貝化石が採集できることから、当館の自然観察会や学校の授業で化石採集が行われることがあったが、貝化石から少し離れたところに埋もれていたこの化石に気付く人はそれまでいなかった。
 産出したのは首の上部から下顎、上顎の歯、頭、角の部分。生徒が発見したのは左角の先端部だった。調査の結果、11万年以上前のニホンジカであることが判明し、現在、おいらせ町の施設に展示されている。
 日本に分布するニホンジカは、化石の産出例が少ないこともあり起源や進化について未解決の部分が多い。この標本は、詳細な年代を明らかにできる可能性がある貴重な化石であることから、当館ではレプリカを作製し常設展で紹介している。

写真 海底に堆積した泥から産出したニホンジカの角化石

※ この記事は2017年1月19日付け東奥日報朝刊に掲載しました。

投稿者:学芸課 島口 天


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